こどもの予防的矯正

床矯正“しょうきょうせい”とは

当院では歯を抜かずに治す床矯正“しょうきょうせい”を行っております。 床矯正とはどういった治療でしょうか?

床矯正の良いところ

・永久歯を1本も抜かずに治療できる可能性が広がります。
・装置は取り外し可能です
当院は床矯正研究会 http://www.esprit.or.jp/ の正会員です。

虫歯の治療は小さいうちに発見して治せば、簡単に治せますし、負担も少ないです。 しかし、大きくなって神経まで進んでしまうと、治療は回数もかかり、時間的・金銭的負担も大きくなります。 実は歯並びも同じなのです。歯並びの異常に早く気付き、早く治療をすればかなり簡単に治せます。 逆にそれを放置するとますます悪くなり、治すのに手間がかかるようになります。 当院では歯並びも予防的に治すことが最もよいと考えています。

一般的な矯正治療はすべての歯が永久歯に生え変わるのを待って、それから左右の(通常第一小臼歯)歯を抜歯して固定式のワイヤー装置で治療していきます。
ですから、多くの歯医者は子供の歯列不正に対して「まだ乳歯ですから様子を見ましょう」と説明しています。 しかし、放っておいたらますます歯並びが悪くなっていくことが多いのです。
せっかく虫歯を予防出来ても結局歯を抜いて矯正するということはとても残念なことです。

歯並びが悪い原因は生えてくる歯に対して顎が小さいことです。 床矯正(保存的矯正)の考えでは顎が小さいから歯が並べないのですから、顎を拡大して歯と顎の大きさとのバランスを保ちます。 矯正科の考えでは顎に歯が並ばないので、歯を抜いてバランスをとろうというものです。

では、いったい何本の歯を抜かなければならないのでしょう?
状況にもよりますが上下左右の第一小臼歯を1本づつ、計4本抜くことになります。 親知らずも抜く必要がある場合はさらに4本抜きますから、矯正治療のために歯を4~8本抜くことになります。 私たちの歯は親知らずを含め32本ありますから、一気に24本になってしまう方もいます。 顎の成長を利用する床矯正と、永久歯が生え揃うまで待ち、それから歯を抜いて行う一般的な矯正治療とでは、考え方が根本から異なります。

当院では歯並びが悪くなるのを予防することも予防歯科と考えています。 永久歯の前歯が生えそろった7歳ぐらいから治療開始する子が一番多いです。
受け口やアゴがずれているなど顔の成長に大きな影響を与えるようなケースは3~4歳ぐらいから治療開始することもあります。

悪い歯並び(歯列不正)は歯と顎の大きさとのアンバランスからおこります。 その他に歯列を歪ませてしまう悪い姿勢や頬杖などの外力(態癖といいます。)が原因になっている場合があります。

歯が並ぶのに必要な正しい大きさに顎を拡げれば
歯を抜かずに矯正ができます。

なるべく歯を抜かずに自然に歯が綺麗に並んでいく治療方

1935年ウィーンの歯科医師シュワルツが顎を拡大する床矯正の基礎を樹立しました。

床矯正は主にヨーロッパで行われた治療法ですので、アメリカの治療法を主とする日本では主流にはなりませんでした。
入れ歯のプラスチックの部分を”床”と呼び、この床にネジをつけて、顎を拡げたり歯を動かしたりします。食事の時や発音障害など必要時には装置を取り外せます。
4才の幼児から成人・高齢者まで治療ができます。
なるべく歯を抜かずに自然に歯が綺麗に並んでいくこの治療方は子どもの予防矯正には適した方法だと考えます。

あごを拡げて歯を並べる保存の立場に基づく歯を抜かないで行う矯正方法が床矯正なのです。
あごを拡げるというと、顔が大きくなってしまうのではと心配される方も多いのですが、正確には歯を支えている歯槽骨を、歯が正しく生える位置に変化させていきます。

顎の骨は一般的には、女の子が14歳、男の子はそれより長い17歳まで成長しています。
床矯正ではあごの成長が止まるまでに歯並びや咬み合わせの問題を解消することを目的とします。 床矯正にとって、あごの成長は矯正治療を行うための大切な要素です。
そのため、出来るだけ小さいうちに床矯正を始めることをお勧めします。
大人の方でも床矯正による治療は可能ですが、あごの成長が利用できないので子どもよりも治療期間が長くなってしまいます。
また、症状によっては床矯正が適用できなかったり、歯を抜くことが必要になることもあります。 部分的な矯正やかみ合わせの治療に有効な場合があります。

通常成人の本格的矯正治療が必要な場合だと期間が長くかかり、費用が80~100万円もかかってしまいます。 しかし床矯正は早期に簡単に治してしまえば、治療期間は短くなりますし、使う装置も少なくてすみます。
装置が少なくすむということは、治療費も少なくてすみます。
現在当院では歯並びの治療が必要な子はほぼ全員が床矯正治療をしています。

『矯正・床矯正・トレーナ―システム』について

歯並びは、見た目はもちろんのこと、食事・発音などの機能に直接影響します。
そして最終的には全身の健康に大きな影響を及ぼすこともあります。
つまり、正しい歯並び・咬みあわせをしているということは 見た目も綺麗で、身体も健康であるということです。

歯並び・咬み合わせに不正があった場合、これを是正するための方法とは?

おもにワイヤーを使った歯列矯正をするか 歯を削ってかぶせもので治す方法があります。
しかし、それぞれ治療の過程で歯を抜いたり削ったりと苦をともなうことがあります。

子供の時期に、いい咬み合わせになるように誘導してやれば、
難しい治療や歯を抜いたり削ったりする必要はなくなります。
まさに予防が可能なのです。

これを目的として当クリニックで採用している、こどもの時期の予防的矯正法がトレーナーシステムと床矯正です。

トレーナーシステムとは?

トレーナーシステムは取り外し式の器具
学校にしていく必要もなくお子さんに負担がかからず好評です。

トレーナーシステムとは乳歯が残っている時期(3~10歳)から行なう歯列の育成を目的とした矯正システムです。
この時期から早期治療に着手してワイヤーを使った通常の矯正治療をしないでいいような歯列に導きます。 シリコンでできた柔らかい上下一体化したマウスピースを日中1時間以上使い、その後夜ははめたまま寝ます。また、簡単な個別のトレーニングを日々行なってもらいます。
口のまわりの筋肉の使い方を育成して、その力を利用して正しい歯列へ導きます。
また、口呼吸や異常な飲み込み、舌突出などの異常な筋機能を治療せずに 放って置くと、正しい顔の発育と正常な歯列の発達の妨げとなります。 口呼吸や間違った舌の位置を是正すると、正しい歯列に誘導されます。 結果として、歯並びや顎の発達が良好になっていきます。
トレーナーシステムだけで歯並びが改善され、矯正が終了する場合もあります。
本格的なワイヤー矯正が必要な重度の歯列不正でも、ワイヤー矯正前治療器具として使用することにより 全体の矯正期間を短縮することができますし、矯正治療終了後の後戻りも少なくなります 。

トレーナ―システムと床矯正の違い

当クリニックでは、トレーナーシステム床矯正
あるいはこれらを混合して行うこどもの時期の矯正に力をいれております。

これにより抜歯をする矯正になる確率が大幅に減り、ワイヤーによる矯正自体を回避することができます。
顎の大きさがとても小さく明らかに歯が並びきらない場合、床矯正という装置を使います。
発育途中にある子供のあごの骨を拡大し、入りきらなかった歯を並べてしまうことを目的とした矯正治療です。通常の歯列矯正では抜かなければならなった歯を抜かずに 矯正できる効果が期待できます。

▲床矯正

▲ワイヤー矯正

床矯正Q&A

  1. いつからはじめるのがいいでしょうか?
  2. 床矯正は成長を利用して顎の骨自体の大きさを広げる矯正法です。
    そのため低年齢が向いています。上顎の骨は頭の骨とともに6歳には80%の成長は終わってしまいます。6~7歳がスタートには一番良い時期です。
    ケースによってはもうすこし低年齢からはじめる場合もあります。
  3. 矯正治療は大人になってからでもできると聞きましたが・・・?
  4. 歯列矯正は成長が終わった大人でも可能です。
    ただしこの場合通常上下4~8本の歯を抜いて残りの歯を並べていきます。成長が終わっているので顎は大きくできません。この点が床矯正と大人の矯正のおおきな考え方の違いです。また、料金や期間も床矯正よりかかります。料金は相場50~120万くらいです。
    期間も2~3年以上かかります。料金をホームページで公開しているクリニックもありますのでご覧になってみてはいかがでしょうか?
    平均的には床矯正の2~5倍かかる可能性があります。
    歯列矯正をお考えなら成長期に着手することは非常に重要です。当クリニックでも成人矯正を行っておりますが、どちらがいいの?と聞かれれば間違いなく低年齢のうちに床矯正で顎を広げる努力をしてできるだけ抜歯矯正を避けるべきであるとお答えします。
    床矯正は抜歯矯正を避ける予防的矯正なのです。
  5. 痛くないでしょうか?
  6. 成人のワイヤー矯正と違い痛みはありません。
    装置があたって痛い場合は調整して痛くないようにします。装置のネジは患者さんご自身が巻きますので、痛い時は無理に巻かなくていいです。
    始めてから数ヶ月経つと、骨に柔軟性がでてきますのでさらに痛みは出にくいです。
    従来の矯正ですと、ワイヤー、ブラケットがほっぺたにあたって痛い場合があります。床矯正ではそれもありません。
  7. 期間はどれくらいかかりますか?
  8. 床矯正は基本的には左右の犬歯(前から数えて3番目の歯)が生えそろう頃に終えるのが理想的です。これは通常10~12歳くらいです。つまり早く始めれば早く終わる場合がほとんどです。
    最短6ヶ月の場合もあります。特別な難症例は別ですが、平均2年くらいで終了します。ただし、歯を後戻りしないよう保定する装置を就寝時に装着していただきます。
    だいたい歯を動かした期間と同じくらいの期間です。歯並びが安定すれば保定装置も卒業します。
  9. 歯を抜かなければならないのでしょうか?
  10. 床矯正の目的は抜歯をできるだけ避けることです。
    生えてきた歯が並ぶように顎を広げる矯正法です。ですので基本的に抜歯はいたしません。
    ただし生えてきた歯が奇形であったり、数が多かったり、とても大きな歯の場合で、抜歯しても口の機能や見た目に影響がないと判断した場合には抜歯を視野にいれます。
  11. 虫歯や歯肉炎は大丈夫?
  12. 矯正治療をはじめる前にむし歯や歯周病の検査を行い、虫歯や歯周病がある場合は先に治療をしてから矯正治療を始めます。しかし床矯正は取り外しできるのでむし歯や歯周病になりにくいです。食事の時は外して食事して歯磨きをしてからまた装着してもらいます。
  13. 子どものかみ合わせや歯並びをよくするには、小さいころからどんなことに気をつけたらよいでしょうか?
  14. 乳幼児のころからよく噛む習慣をつけることが非常に重要です。最近の子供は咀嚼回数が少なくこのため様々な悪影響が出ています。また乳幼児の本来の吸引力は、本来とても強いものです。
    出のいい人工乳首(哺乳瓶)やペースト状の離乳食ばかり与えていると、自然に身につく吸引力や舌の運動能力が体得できないまま成長してしまいます。
    そうなると、大きくなっても正しい嚥下や正しい顎の発育ができないようになります。結果として歯並びやかみ合わせを悪くことにつながります。離乳食を卒業したら、繊維質の多いものや、しっかり噛まなければ食べられないような歯ごたえのある食物を与えてください。
    また生活のなかで、指しゃぶりや舌・くちびるを噛む、口をいつも開けている、頬づえをつくなどの悪い癖は顎の発達に大きく悪影響をきたします。
  15. 装置はいつ着けるの?
  16. 食事、歯磨き、英語・国語・音楽などの発音障害を生じる場合ははずします。
    それ以外はできるだけ装着します。小学校低学年の子やどうしても学校に着けていきたくない子は、家に帰ったらすぐに装着してください。寝ている時間を含めて12~14時間以上の装着がきれいな歯並びにするためには必要です。
    床矯正は自分で外せることが大きな利点でもありますが、外してばかりだと矯正の効果は落ちます。できるだけ長い装着時間を確保していただくと良いです。