2月といえばバレンタインの時期。チョコレートを口にする機会が日頃より増えた方も多かったのではないでしょうか?
甘くて美味しいチョコレートですが、その甘さは砂糖などの甘味料によるものです。
チョコレートはカカオの種が主原料となっており、それに砂糖や粉乳などを加えて練り固めて作られます。
カカオはとても苦いですが、ポリフェノールが豊富な為、最近はカカオの割合を高めにしたチョコレートも定番化しています。
高カカオのチョコレートは苦味が強いことからも、砂糖がチョコの甘さに必要不可欠なものだと言えるでしょう。
さて、その砂糖についてですが、歯にとってはむし歯の原因とされています。
むし歯は、細菌によって作られた酸で歯が溶かされてしまう病気です。
口の中に住み着いているむし歯菌(ミュータンス菌)は、食べ物に含まれる糖質を栄養として分解し酸を作ります。
甘いものは歯に良く無い、とされるのはその甘さの原料として砂糖が多く使われている為であり、砂糖が多いほどむし歯のリスクも高まる為です。
そこで砂糖の代わりに使われているのが代用甘味料。キシリトールはその代用甘味料のひとつです。
ガムや飴、タブレット菓子などに多く使われており、キシリトールで作られたチョコレートもあります。
むし歯予防に効果的とされるキシリトールですが、どのような効果があるのでしょうか。
はじめに、キシリトールは白樺やとうもろこしの芯から作られる糖アルコールの一種です。
糖アルコールとは砂糖などと同じ糖質の仲間であり、以下のような特徴を持っています。
まず、むし歯菌がエサとして分解することが出来ません。その為、歯を溶かしてしまう酸が作られず、むし歯の原因とならないのです。
また、むし歯菌は糖質からねばねばとしたグルカンを作り歯にくっつきます。そしてプラーク(歯垢)となり、内部で増殖してより酸を作ります。
そのグルカンを作る材料にならず、唾液の分泌を促す効果もあります。唾液は口の中の自浄作用であり、むし歯予防においてはかかせない機能です。
そして、体内で消化吸収されにくいため低カロリーであり、ダイエット食品などにも使われています。
ただし、この性質は食べ過ぎるとお腹がゆるくなる原因でもあるため、食べ過ぎには注意が必要です。
ちなみに、キシリトールのみが持つ特徴もあります。
まず、砂糖と同じ甘さということ。その他の糖アルコールの甘さはやや低めです。(砂糖に対しエリスリトールは約70%、マルチトールは約80%など)
そして、歯の再石灰化を促しむし歯菌の増殖を抑えること。
これら、むし歯の発生や進行を防ぐ効果は代用甘味料においてキシリトール特有のものです。
ですが、その効果は実はとても弱いものとなっています。
キシリトールを多く食べているからといって、それだけでむし歯が予防できる訳ではありません。
歯磨きと歯科医院での定期的なメンテナンスはお忘れなく。
さて、バレンタインの次はホワイトデーですね。甘いお菓子、どうせならむし歯を気にせずに楽しめるキシリトール入りの物を選んでみてはいかがでしょうか。